2019/09/23

LUCCAの話、その2 城壁の上から


はじめてのLUCCAで郊外のレストランでの取材仕事が終わり、駅までもどってきたのは、お昼前でした。すぐにここを発たなくてもいいし、と思い、駅からすぐの、城壁の上に登り、そしてすぐに魅せられました。ちなみに城壁のたたずまいは、この私の出会いから何十年も経っていますが、今も何も変わっていません。
城壁はローマ時代に端を発し、中世に今の姿になったという、古い古いもので、その上は、自転車と人だけが通れる並木道になっています。一周4キロなのでちょうどよい大きさ。散歩の人、ベンチに腰をかけて新聞を読む人、ウォーキングやランニングをする人、自転車で走り抜ける人。それぞれが思い思いにこの城壁の道を楽しんでいます。ルッカの友人の何人かが、リアルに「朝散歩してる」「週末に走ってる」などしっかりこの城壁の道ユーザー。

城壁の内側は「旧市街」とはいえ、商店もバールもレストランも学校もあり、人々の住まいもある、生活の場です。バールも、観光客向けではなく、近所の人が来る普通のバールがメイン。そして、城壁から目を上げれば濃い緑色の低い山なみが少し遠くに。ルッカ郊外(ルッカ市ではなく、ルッカ県)になるのですが、オリーブと葡萄の木が広がっているのです。オリーブオイルもワインも、美味しいものが生まれているこの地方、だからこそ、伝統料理はオリーブオイル主体。伝統料理のトラットリア(カジュアルレストラン)でバターと口走って叱られた話は、この次に。エッセイにも書いた話ですが、このご主人はもう亡くなられたのですが、でもトラットリアは娘さんが切り盛りし、今も変わらぬ料理を出しています。



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