2019/12/23

クリスマスカラーの一品を





2019年も、あと8日。今週いっぱいでお休みになるオフィスが圧倒的に多く、今週は誰もがせわしない雰囲気。そんな中のクリスマスですね。
クリスマスは、最近はいつも、「秘密のポケット付きローストチキン」。「1人1つ」楽しめる、骨付きもも肉です。
そしてやっぱりクリスマスなら「ちょっとかわいい」「色がきれいな」ものが欲しくなるので、星形の詰め物パスタを赤や緑のソース海に浮かべたり、赤と緑のパプリカのマリネを丸く小さく型抜きしたり・・・いつも「緑と赤」をテーマにいろいろ作ってきました。
この写真の一品もそんな「クリスマスカラーの一品」のひとつ、ほたてのクリスマスカラーソース、です。
ほたては火が通りやすいように薄切りにしてさっとソテー、軽くワイン蒸し
ほうれんそうは炒めて生クリームとからめ
あらごしトマトを煮詰めてまわりのソースに。
どろどろっと流れないように、そして鮮やかな赤になるように。トマトはあらごしを使って、パスタのトマトソースより、煮詰め時間を長く、少しかたくします。ポイントと言えばここだけ。トマトソースも塩とオリーブオイルだけだし、全部とてもシンプルなレシピだし、味付けです。3つを合わせたのがクリスマス仕様。ちょっと楽しくなります。料理教室でも好評です。
もちろんクリスマス関係なくても。鮮やかな色は服でも、料理でも、すっと気分を変えて、モードを変えてくれる力がありますよね。


# waitalian
#ikukokaitani 
#トマト #あらごしトマト


2019/12/22

フライパンミートローフ! 「ちゃちゃっとイタリアン!」表紙のミートローフの話




「ちゃちゃっとイタリアン!」刊行から1ヶ月、作ってみた!という写真を送っていただいたり、これを作った!と報告いただいたり、とても嬉しいです。今回の本は、「ちゃちゃっと」な短いレシピが多いので、男性からの作ったよ報告(作るよ宣言だけ、というのもありますがw)がいくつもあるのもまた嬉しいポイントです。
で、今日は12月22日。もうクリスマス間近。クリスマスは別に、という人も、友達と集まったり、持ち寄りパーティ、家でもちょいご馳走、などなどいつもとちょっと違うゴハンが増える季節ですね。
なので今日は、この本の表紙にもなったミートローフの話です。これ、オーブンじゃなく「フライパンミートローフ」です。料理名としてはちょっとね、ということでパルミジャーノを入れるのが味の特長なのでパルミジャーノミートローフにしました。
なぜこうなったか、というと
1●ハンバーグは何個も丸めないとだし、炒めている間も、焦げ付かないか、火が通ったかまだか、見ないといけないので実は手間がかかる。
2●ミートローフのほうが大きなひとかたまりを作ればいいし、オーブンに入れてセットしたら放っておけるのでハンバーグよりずっと手間なし

とまず、オーブンミートローフ(ま、ふつうのミートローフ)をおすすめしてました。
ところが、
✓たいていの家に電子レンジオーブンがあるけど、実はオーブン機能は使うのがおっくうな人が多い
✓電子レンジオーブンの上には、オーブンを使って熱くなると困るものがいろいろ置いてあったりする
✓予熱もなんとなくおっくうがられている

ということがわかり、
3●テフロンの小さめのフライパンで作るミートローフのレシピにしよう

ということで、ここ何年かはこのフライパンミートローフを、料理教室でも、外部での料理レッスンでもご紹介して、好評なのです。
挽肉とパン粉、パルミジャーノチーズ、塩、胡椒、オリーブオイル、玉ネギ。
練って丸めるのは手が必要ですが、テフロンフライパンに入れて形を整えたら、超弱火でフタをして蒸し炒めにするだけ。一回ひっくり返すだけで、この写真のミートローフ、出来上がります。

ハンバーグより、大きなかたまりになるぶん、見栄えもするミートローフ、ちゃちゃっとレシピでどうぞ♪







2019/12/14

ロゼのアクアパッツァ?



風が冷たく、気温も低くなってくると、「鍋」という単語がアタマにちらつきますよね。食べる時も食卓であたためながら食べるかどうかは別として、ぐつぐつ、とか、ほかほか、とか湯気とか・・・そんなイメージが浮かびます。
何かシーフード系が食べたい、というリクエストを聞いていた友人夫婦のためには、和風の鍋ではなくイタリアンに・・・でも少しぐつぐつ感のあるあったかいもの・・・と考えて、アクアパッツァにしようか、シーフードのトマト煮込み(zuppa di pesce)にしようか、少し悩みました。そもそもこの2つは実は全然違っていて、
〜アクアパッツァは、
オリーブオイルと水を合わせたところに(オイルが多いので温度が上がってパチパチ言うのでアクアパッツァ=クレージー・ウオーター))シーフードなどを入れて加熱する料理、
〜zuppa di perceズッパティペッシェ は
(作り方はいろいろあるのですが基本)、少量のオリーブオイル、ニンニクを熱したところにシーフードを入れて炒め、ワインを加えて蒸し、それからトマトで煮込む、という料理。
最初のプロセスから違うものなのです。でもシーフードをいろいろ入れたイタリアンとしてはどちらもポピュラー。私もどちらも好きなのですが、今回は、ズッパディペッシェの作り方でスタートして➡白ワインを入れて蒸してしばらくしたら➡アクアパッツァに寄って水とオイルと、そしてトマトを入れる
という折衷スタイルで作りました。これがいいのは、スープがちょうどよい濃さで、トマトの酸味とシーフードのダシが溶け合ったトマトスープになって、美味しいということ!
トマトは水とオリーブオイルを足した量の2割程度がベストです。多くはないのですが、それがまたちょうどいいバランスになります。
ヤリイカからダシ
エビからダシ
あさりからダシ
魚(今回はカサゴ)からダシ
そして、トマトからダシ(グルタミン酸)
オリーブオイルからダシ(なんとか酸は含まれていませんが風味が出ます)
というわけで、美味しいひと鍋の出来上がりです。
これ、魚を入れなくてもいいし、切り身を入れてもいいので、ぜひお試しを。シーフードから「出過ぎるくらいに出る」うまみを、トマトが、ちょうどよくバランスを取ってくれるのです。トマトの力! たくさん入れればいいわけではないのです。
さて、
これさえあればワインは一杯、二杯と・・・
あ、飲む機会の多い年末年始、飲み過ぎには気をつけてくださいね〜
# waitalian
#ikukokaitani 
#トマト #あらごしトマト



2019/12/04

トマトスープパスタ、おとなしいヤツ?ワイルドなヤツ?

発売から2週間経った「ちゃちゃっとイタリアン」(宝島社)は、タイトル通り「ちゃちゃっと」かんたんに短時間で手間なしにできるレシピを集めているのですが、「ま、5分とは行かないけど、ちゃちゃっと用意してあとは放っておけるから」というのもいくつか入ってます。手間はかからず、煮てる(焼いてる)時間がちょいかかる、というものです。
その中でこれからの季節に使えるのがスープパスタ。野菜など具を入れ、塩味もつけて、そのままスープとしても飲めるものに、ミニパスタや、ぽきぽき折ったスパゲッティを入れて煮る。寒い季節の朝ごはんには特におすすめです。
「ちゃちゃっと」で紹介したのは、プレーンな塩味の白菜スープパスタですが、トマト味も実はおすすめ。トマト水煮やあらごしを少し入れると、ほのかな酸味と、グルタミン酸のうまみで、違った表情に。そして見た目も明るくなって、元気になる気がします。色の効果も大きいですよね。元気いっぱいの時は「どっちでもいいよ」かもしれませんが、ちょっと元気が足りない時は、トマト、というセレクトも理にかなっている気がします。トマトの量は、計らなくていいけれど、おたま一杯くらい。少なめに入れて、色をみて足す、くらいのアバウトさで十分です♪
鶏の挽肉や、何かで使った鶏肉のはじっこを、そのまま鍋に入れるか味噌こしに入れてから鍋に入れると、軽いダシが良い具合に出て、味もよくなるのですが、先週の料理教室では、「サラミ2,3枚」を使いました。これがまた、いい感じにダシが出て、おすすめです。もちろん、ベーコンの切れ端でも。
パスタ以外は最初から全部鍋に入れて火にかけるのでOK。水も野菜もトマトもダシ用の何かも、塩も、オリーブオイル少々も。
朝なら、火にかけたらしばらくキッチンに来なくていいです(笑) 着替えるとか、お化粧するとか、男性ならヒゲをそるとか? 野菜が柔らかくなったら味をみて、パスタを投入です。
写真は2つともトマト入りのスープパスタですが、片方は限りなくおとなしくて、片方はワイルド。ワイルドなほうは、晩ごはんにもできる存在感アリです。さて、どっちを試しますか?
# waitalian
#ikukokaitani 
#トマト #トマト水煮 #トマトあらごし



2019/11/29

泡立てる季節〜カフェラッテの話

たいてい毎朝、カフェラッテを飲みます。コンロにかけるタイプのエスプレッソマシンでいれるか、普通のドリップで濃く濃くいれるかしたコーヒーと牛乳の組み合わせです。
暑い季節も、朝はきんきん冷たいものは飲みたくないので、イタリア語でいうとtiepido 生あたたかいというか生ぬるいというか、日本語にするといまいちな語感ですが、コーヒーが熱いので冷たい牛乳を入れて、少しぬるくなる、そのまま飲むわけです。
 そんな日は5月のゴールデンウイークの頃から10月の半ば頃まで続きます。空気が少し冷たくなってきて、朝、起きてきてスリッパを履いてもはだしのままでは無防備な気分になり、tiepidoでもいやだな、と思うようになる頃から、私の「クリーマーの朝」がはじまります。
ミルククリーマー、schiumatore(スキュウマトーレ)、牛乳泡立て器です。牛乳を熱くして、シャカシャカ、持ち手を上下させるだけ。16回くらいかな。もっとかも。完全手動です。
昔、イタリアのスーパーで電池式のクリーマーを見つけて喜んで買ってきましたが、寿命はわりあい短くて、その前に買ったクリーマーがまだ現役。でも、1年前に同じものを友人に買ってきてもらったら、ネット部分の素材が変更されていて、何かわからないのですがもっともっちりクリーミーな泡ができるようになりました。ジミに進歩しているのです。
 ラテアートはあちこちのカフェでやってくれるようになり、シンプルなハート型から、文字や絵を描くものまでいろいろ。すてきだなと思いますが、私は、こんな落書きをして楽しんでます。
これからしばらく、朝は泡立て(フォームミルク)で、カフェラッテを飲む日が続きそうです。シャカシャカしていると少しさめるので、牛乳は本当は・・・小鍋で吹きこぼれる寸前まで熱くするほうがいいのですが、何せ起き抜けなので、電子レンジに頼る日々です。

2019/11/16

ひと鍋パスタ?ふた鍋パスタ?






新刊「ちゃちゃっとイタリアン」では、手間なし、時短、かんたんにできる、シンプルで美味しい、そんなレシピをご紹介しているわけですが、パスタのひと鍋レレシピと2鍋レシピも、実はどっちも「ちゃちゃっとレシピなら同じ」という話です。
写真の、ブロッコリーのパスタは、ひと鍋レシピ。(本に出ています)
そして、ブロッコリーの親戚(?)カリフラワーのパスタですが、これは2鍋です。

ひと鍋パスタは、1ポットパスタといわれ、ヨーロッパで数年前に流行り、パスタ会社が無理な1ポットレシピをupして炎上したり、していました。
ひとつの鍋(私は深いテフロンフライパン)で全て出来てしまうレシピのことで、ブロッコリーのパスタの場合は
  お湯を沸かして塩を入れ、パスタとブロッコリーを一緒にゆでる。
2 ザルにあげ、フライパンにはオリーブオイルを入れる(ニンニクも入れても)
3  パスタとブロッコリーをもどして軽くオイルとあわせて出来上がり
というもの。洗い物が少なくてすむ、というのはポイントです。

2鍋レシピはごく普通のパスタのレシピで、時間をかけて作るソースももちろんありますが、この、カリフラワートマトソースは、ちゃちゃっとの代表格。
1  お湯を沸かして塩を入れ、パスタとカリフラワーを一緒にゆでる。
2  隣のコンロで小鍋にトマトあらごしとオリーブオイル、塩を入れて軽く煮る。
3   パスタとカリフラワーをザルに上げ、トマトの小鍋に入れてまぜる。
というもの。
パスタのゆで時間内で出来てしまうので、どちらもかかる時間は一緒、
コンロ2つか1つか、というわけです。
ひと鍋は洗い物が少ない、
ふた鍋は煮込みが短いトマトソースが多くなりますが、ソースを冷凍できる。

ブロッコリーもカリフラワーも、本当は冬が旬の野菜。もちろん、ブロッコリーとカリフラワーを入れ替えて(オイルベースとトマトソース)も美味しくできます。今日はどうしましょう?

redgoldfromeuropejapan
# ikuko Kaitani
#ちゃちゃっとイタリアン











2019/11/08

勝浦のまぐろ缶〜味を作る脇役たち 赤山椒トマト缶編





「勝浦のまぐろ 赤山椒トマト」の話です。
赤山椒?トマト? 
一緒に並んだ状態で見ることがあまりない材料の組み合わせですが、実は私はこの組み合わせ、もともと好きです。
シンプルなトマトソースを作って食べる時も、そして
ツナやサバ缶など、魚系の素材を使ったトマトソースを作る時、仕上げにふるスパイスは、黒胡椒、白胡椒より、赤山椒をかける(粉でかけたり、ミルで挽いたり)が多いのです。
赤山椒は、山椒の実を青い時に収穫せず、熟して赤くなるまで樹上に置いておいたもの。木がいたむので、たくさん赤山椒にはできず、量が少ないので高価にもなるのですが、青山椒とは違う、一段落ち着いた香りとぴりり感が、トマトソースにはよく合います。
缶詰に使っているトマトソースは、パッサータとよばれる、うらごしタイプのもの。なめらかになっているのと、水煮缶詰のようにトマトジュースを加えていないので濃度がもともと高く、少し煮詰めただけでちょうどよいトマトソースになります。
しかし!大量のパッサータを煮詰めるのは「少し」といっても時間がかかるのです。加工場では大鍋で、焦げないように弱火で、たえずかき混ぜながらていねいに煮詰めています。 酸味も、濃さもちょうどよくなり、別でオリーブオイル蒸し炒めにした玉ネギやパプリカとの相性もよく、食べやすくあとをひく一品に仕上げました。
赤山椒は、最後の最後、缶詰のフタを閉じる前に、赤山椒の粒を、ミルを使って決まった回数挽いています。缶詰は加熱するので、どうしても香りは弱くなります。せめてもなるべくいい香りを!でも強すぎず!と試行錯誤しました。

赤山椒は山椒生産日本一の和歌山、かんじゃ山椒園さんのもの
http://www.sansyou-en.com
トマトはもちろんイタリアのパッサータ(あらごしタイプ)
https://redgoldfromeurope.jp/ja


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#ikukokaitani